保険治療と保険外治療の、決定的な違いをあなたは知っていますか?

      2018/12/04

保険治療と保険外治療の、決定的な違いをあなたは知っていますか?

歯科の治療には、

保険診療と

保険外診療があります。

 

保険外診療は、

自費診療とか、私費診療、

または自由診療と呼ばれています。

 

 

あなたは保険診療と保険外診療

その両者の違いが、わかりますか?

 

大勢の方々は、

「ギンギラギンの歯なら保険」

 

だけど、

 

「見た目が悪いから自費で白い歯を」

銀歯と白い歯

 

という程度に理解していると思います。

 

 

しかし本当の意味では、

それは大きく間違っています

 

 

今日は、その保険診療と保険外診療の

決定的な違いについて、

詳しく書こうと思います。

 

 

歯医者で、歯の型をとる時などに、

「白い歯にしたかったら自費治療になります」

などと、言われたことがあるかもしれませんが、

しかし、その詳しい内容について、

時間をかけて教えてもらえる機会はありましたか?

 

みんな、こう思っているはずです。

「銀歯=保険治療」

「白いかぶせ物=自費治療」

「セラミック=自費治療」

「入れ歯=保険治療」

「インプラント=自費治療」

ですよね。

でもね、それだと、ただ単純に、

材料、素材によって、

保険と保険外に分類していることになります。

しかし、本来は、そうではありません。

 

 

また、多くの方々は、

「自費治療って、なんでそんなに高いの?!」

と、思っているはずです。

 

 

歯科の治療は、お口の中という狭い空間の中で、

舌や頬っぺたなどをよけながら、

唾液にぬれないように注意しながら

ミクロン単位の精度の処置を行う、

とても技術的に難しいものです。

一般の方には知られていませんが、

日本の保険で決められた歯科治療の価格は、

世界中の先進国各国と比較して、

とても安く、おどろくほど低く設定されています。

保険治療は格安

日本の厚生省も、現状の保険治療の価格では、

理想的な治療が出来ないことなど、

とっくに知っているはずです。

 

 

結論を言ってしまうと、

自費治療が高いわけではありません。

日本の保険治療が安すぎる、

という話なのです。

 

 

それを、歯医者が声を大にして言えない、

今の現状にこそ問題があると、私は考えています。

保険がダメだと言えない

 

つまり、自費治療にかかる費用こそが、

現代に見合った本来の適正な費用であり、

国が決めている保険治療とは、

「採算は無視して格安価格で治療をしなさい」

というものなのです。

 

 

高齢者が急増する我が国においては、

医療費が国家予算を圧迫しているので、

直接、死に関わらない歯科に対して、

医療費をつぎこむことは不可能なのでしょう。

医療費

 

 

保険治療で安く治療が受けられることは、

確かにメリットに感じると思います。

しかし、あまりにもデメリットが多すぎます。

 

 

デメリットその1

一つ一つの治療費が安いために、

10~15分で治療を済ませなければならない。

1時間かけて丁寧に治療するのと、

10分でチャチャっとすますのと、

ここで私が説明するまでもないでしょう。

 

 

デメリットその2

一つ一つの治療費が安いために、

患者さんの話を聴く時間が制限され、

歯医者が患者さんを説得してしまう。

その結果、患者さんは不信感をいだく。

不信感

 

 

デメリットその3

一つ一つの治療費が安いために、

自費をススめるセールス歯医者が増える。

自費セールス

 

 

デメリットその4

予防的な処置に対する価格設定がなく、

削らなくてもいい歯を削ってうめる、

といった状況が生まれる。

 

デメリットその5

予防的に延命策を講じて、

歯が抜けるのを遅らせたくても、

それに対する価格設定がないので、

残せるはずの歯を抜歯する、

という状況が生まれる。

 

etc…

まだまだありすぎて、

書ききれないくらいです。

 

 

保険治療では、

お口の病気の予防知識を提供したり、

歯磨きの指導にどれだけ時間をかけても、

ほぼ収入になりません。

 

 

 

虫歯を削って埋めたり、

神経を抜いたり、歯にかぶせたり、

歯を抜いて人工の歯を作ったりして、

歯医者が「この治療をしました」

と、報告すれば、報酬が振り込まれます。

 

 

 

そして、最も重要なことがあります。

 

 

保険では、歯医者が「この治療をしました」

と、報告すれば、報酬が振り込まれます。

 

 

誰がどのようにやってもです。

とうぜん、治療の質は全く問われません。

治療にかけた時間もまったく問われません。

 

 

歯医者になりたての初心者が治療しても、

専門医が時間をかけて完璧に治療しても、

老眼の進んだ歯医者が治療しても、

全国共通一律価格と決まっています。

 

しかも、

世界各国と比較すれば、

おどろくほど安い価格で。

 

 

だから、

 

「時間内に、できるだけたくさんの患者さんを

それなりに治療して、多くの収入を得る」

というスタンスの歯医者が多くなります。

 

残念ながら、

 

「たとえ赤字になっても、

時間をかけて丁寧に治療して

歯を食いしばってがんばる」

という赤ひげ歯医者さんを私は知りません。

 

 

 

保険治療と保険外治療の、

決定的な違いがおわかりでしょうか?

 

 

それは白い歯とかセラミックのような、

材質や材料に品質のいいものを使う、

ということでもなければ、

インプラントや顕微鏡手術などといった

技術論だけではありません。

 

 

目の前の患者さんと真に向き合い、

その患者さんにかける 時間 こそが、

保険治療と保険外治療の決定的な違い、

だと私は考えます。

 

 

 

この歯科の保険治療に関する状況は、

もう何十年も前から何も変わってません。

歯医者もただの一人の人間です。

患者さんの事だけを考えたくても、

家族や従業員の生活を成り立たせるために、

理想の歯科医療とかけ離れた状況に対して、

苦しみ悩んでいる歯医者がほとんどです。

 

 

 

しかし、患者さん側にとっては、

そんなことは知ったことではありません。

先生、最近つめたいし、

説明を聞いても、よくわからないし、

何でそうなるのか、わからないし、

思った通りじゃないし、なんか違う。

言いたいことや、伝えたいことを、

いつもちゃんと話す雰囲気でもないし、

いつもそうなって…結局、

どこの歯医者に行っても、

不信感を持ってしまいます。

 

 

現状の保険治療に関する状況を変えない限り、

悩める患者さんの感情は改善できないと思います。

 

 

 

海外では、歯の大事さを、

子供の頃から学校や家庭で、

徹底的に教えます。

なので、決して、

「悪くなったら治してもらえばいいや」

とは考えず、自分の歯を大事に扱います。

何もなくても歯医者へ行き、

徹底的に予防方法を習い、毎日、実践します。

そして、万が一、

治療が必要になった場合は、

高額なお金を支払って治療し、

悪くなった原因を教えてもらい、

また悪くならないように大事に扱います。

 

 

ところが日本ではどうでしょう。

ほとんどの人が、自覚症状があっても、

長い間そのまま放っておいて、

すごく痛くなってから歯医者に行き、

治してもらおうと考えます。

でもね、歯医者で治療しても、

歯はぜんぜん治ってないですから。

詳しくはコチラを読んで下さい。

歯医者で治療が終わっても、全然、なおっていませんよ。

 

 

 

いろいろと、保険治療と、保険外治療の

ことについて書かせてもらいましたが、

自分が頑張って稼いだお金を、

「何にどれだけ使うのか」

で、その人なりの価値観が

決まっているように思います。

その人のお金の使い方を見れば、

「何にお金をかけているのか」

「何に価値を感じているのか」

といったことが、わかりますよね。

逆に、「〇〇にはお金をかけない」

と決めることは、その人にとって、

「私は〇〇には価値がない」

と決めているのだと思います。

 

 

もちろん、お金が全てではありません。

ただ、保険治療で満足を求めないで下さい。

保険治療を行う先生が良心的で、

自由診療の先生が金儲け主義だなんて、

決めつけないでください。

 

 

多くの人は、歯医者には価値がない、

と思っておられるようで、

たまに少し悲しくなりますが、

なんでもかんでも、保険制度のせいにして、

きちんと現実と向き合ってこなかった、

われわれ歯医者にすべての責任があると思います。

なんでもかんでも、保険制度のせいにして、

きちんと患者さんに説明をしてこなかった

歯医者自身に、一番の原因があると私は考えます。

 

 

 

材料や材質だけでなく、

本当にあなたのことを考え、

あなたに寄り添ってくれる歯医者に

めぐり合えればいいですね。

 

 

 

今日はここまで。

 

 

 

 

 

 

 

 

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