虫歯を削らずになおす、たった一つの方法。
2017/04/16
虫歯を削らず治す?
えぇ?うそ!
最新の治療法ができたの!どこの歯医者?保険きくの?
新聞や雑誌、テレビでも、虫歯を削らずになおす!
といったような見出しをつけた広告を、
僕も何度か目にしたことがあります。
歯医者で「キュイーーーン!!!」なんて音は聞きたくないし、
だいいち、削ったり、注射するのって、考えるだけで嫌になる。
みんなそうですよね。あれが好きって人は、まず、いません。
じゃ、虫歯を削らずになおす ということについて、
今日は書いていきますね。
最初から結論をお話しします。
最新機械で虫歯を削らずに全滅させる。
虫歯で失った部分を再生させる。
といった、近未来的なワクワクするような治療法が
できたように期待した人がほとんどだと思いますが、
残念ながら、そのようなものは存在しません。
じゃ、テレビや雑誌で言ってるのは何ですか?
高濃度のオゾンやフッ素などを用いて、生活習慣を改善しながら、
ごく初期の虫歯や虫歯になりかけているところが、
それ以上進行しないようにすることを、削らずになおす、
と言っているのが事実です。
決して、虫歯がなくなって、元通りになる
ということでは、残念ながらありません。
言いかえれば、
『虫歯は削らなくてもいい』ということではなく、
『小さな虫歯なら削らずに、きちんとしたケアをすることで
削らずに済む場合が多くあるんですよ』ということです。
さらに言うと、
穴があいたような虫歯は、削る必要があるし、
そもそも痛みがあるような歯は論外ですし、
全ての虫歯が削らないで済むというわけではないのです。
もう一度言います。
穴の開いていないような小さな虫歯であれば、
高濃度オゾンやフッ素、また特殊なお薬を使用し、
生活習慣を見直しながら、
虫歯を削らずに進行しないようにしましょう、
という意味です。
でも、決して残念に思うことはありません。
虫歯を削らないでなおすなめには
虫歯を削らないために最も重要なことは、
「何もないのに歯医者へ行く」ことです。
「もしかして虫歯かなと思って行く」では、遅い場合があります。
歯だけに限ったことではありませんが、
このあたりまえな事が一番難しいと思います。
ほとんどの方が、何かあってから歯医者に行くわけですもんね。
虫歯を削られたくなければ、何もないのに歯医者へ行き、
ごく初期の段階で見つけてもらい、
そこを意識して自分の生活習慣を改善する事です。
(必死で歯ブラシだけをがんばってもダメです)
その理由はコチラ➡http://free-dentist.com/tooth-decay/
削らなくても良い虫歯は、学校の検診でも基準があります
削らずに様子をみる虫歯は、学校歯科検診で
「要観察歯(CO)」シーオー、またはシーゼロ
という名前で平成7年度より導入されています。
つまり今から20年以上も前から、
小さい虫歯は削るよりも進行しないように指導をしましょう、
って基準がちゃんとあったということだと、僕は理解しています。
削らなくてもいい虫歯、削らなくてはいけない虫歯
削らずに様子を見ることのできる、COってどんなの?
虫歯の進行状況はCO C1 C2 C3 C4 の5段階で表されます。
それぞれの基準を簡単に説明すると次のようになります。
CO 要観察歯(削らない)
簡単に言えば、歯のみぞに色がついてるか、
ついてないか微妙な感じの段階です。
削らず、様子を見ます。
C1 エナメル質が溶けてしまっている状態(削らないが、場合による)
歯のみぞが茶色から黒色にくっきり色がついていて、
場合によっては穴があきそうな感じがあります。
ほとんどの場合、削らないで経過を見ます。
C2 穴があいて、歯の内部の象牙質まで進んでいる(削る)
何かつまったり、冷たい物や、あついものに感じる時があります。
削って埋めます。
C3 さらに進んで虫歯が神経の近くまで進んでいる(削る)
僕はこの段階を2つに分けて考えてます。
ときどき、何もしなくても、痛みが続く場合。
この場合は、神経を保護する薬を塗れば、
神経を抜かなくても済む場合が多いです。
ずーっと痛くてズキズキしている場合。
残念ながら、神経を抜かなければならない事が多いです。
C4 歯の頭の部分がほとんどなくなっている(抜くこともあり)
もうだれが見ても歯がボロボロになっています。
うまく治療が進んで、人工の歯を入れたとしても、
痛んだり、腫れたりして、あまり持たないことが多いです。
「削らない虫歯」を「削る虫歯」にしないためには
削る必要がないからといって、あなたが何も変えなければ
すぐに削る虫歯に進行します。ただ放っておいてはダメです。
じゃあ、どうするのか。
歯みがきを必死でする?いや、それも間違いではありませんが、
あなたがまず第一にすべきことは、食べ方に気を使う、
ということが第一です。詳しくはコチラ➡http://free-dentist.com/tooth-decay/
虫歯の直接原因になる習慣を理解した上で、
あなた自身で習慣を変える必要があります。
糖質が口に入る時間を、可能な限り短く制限してください。
また、フッ素配合の歯みがき粉を使うのはもちろん、
定期的に歯科医院でチェックをうけて下さい。
これらすべてのことを、あなたが自分でしないといけません。
また、「削らない」と決めた以上、
<虫歯が大きく広がるかもしれない>
ということも、よく覚えておいて下さい。
子供たちの虫歯を削らなくてもすむような未来のために
フッ素や食事のとり方により、虫歯を食い止めることができるということを、
日本では実に20年以上前からわかっていたことなのに、
なぜ、それが、知識としてひろがっていないのか?
それは、歯科大学では、治療の方法論しか優先的に教えない、
というところに原因があるように思います。
また、卒業して予防を学び、それを実践しようとしても、
いっさい歯医者の収入にならないという現状の保険制度に
大きな問題があると、僕は考えます。
番外編 見た目はたいしたことないのに、中がヤバイ歯
ここまで読めば、あ!なーんだ!
“穴が大きく開いてなければ削らなくてもいいんだ”
という希望を皆さんに与えますが、
僕の経験上、例外もあります。
色がついてるだけで、穴がないのに、
レントゲンで歯の内部に大きな虫歯が
広がっていることを見る機会が多いからです。
これは、虫歯になりやすい食生活をしているからではなく、
むしろ、虫歯になりにくい食生活をしている人に多いです。
は?
と疑問に思うかもしれませんね。
この話は、どこかで、詳しく説明したいと思いますけど、
簡単に言うと、
自分では気がつかない、かみかた、や、かみあわせかたが、
特定の歯に衝撃を与え続け、歯の表面にヒビが入り、
そこから虫歯菌が侵入して内部にひろがるケース。
また、歯の表面にヒビは入らず、歯の内部の軟らかい象牙質に、
かんでいる力による波動や振動が加わり続けて、
内部の象牙質が先に崩壊していくケースです。
あまり、一般にはなじみのないことだと思います。
それもそのはず、僕自身も歯科大学では学びませんでした。
皆さんの歯を診させていただく中で徐々に気がつき、
色々な学会や研修、勉強会などでの情報から、
『あ、やっぱり、なるほどな。』と思い始め、現在にいたります。
あなたが何気なしにかんでいる、その行為自体があ、
あなたの歯を痛めつけていることがくあるのです。
それに関する話はコチラ➡http://free-dentist.com/bite/
削ってうめても、削ってかぶせても、
なおったわけではありません。
あなたの大切な歯を削らなくてすみますように。
読んでいただきありがとうございました。