私が保険診療をやめた理由

 

 

日本では、ほとんどの方が、

社会保険か国民健康保険に加入しています。

誰でも治療を受けることができる、という点では

世界に存在しない素晴らしい制度ですが、

歯医者自身が、日本の歯科医院に行って保険証を提出し

保険で治療を受けることは、ありえないと思います。

 

 

 なぜ?

 

治療の技術や熟練度や品質、

また、治療にかける時間やていねいさにかかわらず、

治療費は全国一律に決められていて、

その価格は他の先進国の10分の1以下…

 

 

ということは、どういうことになるか、

わかりますか?

 

 

時間をかけて、キッチリ完璧に治療しても、

てきとうに手を抜いて、サッサと治療しても、

卒業直後の研修医が緊張しながら治療しても、

慣れてきた5年目の先生が適当に治療しても、

20年目のスペシャリストが完璧に治療しても、

老眼のすすんだ高齢の先生が震えながら治療しても、

国によって、超格安に値段が決められていたら、

どうなるかわかりますか??

 

 

わかりやすく、マグロ寿司で例えます。

回転寿司で流れているマグロ寿司

家族で手巻き寿司で作ったマグロ寿司

コンビニで買った添加物入りのマグロ寿司

釣ったばかりで鮮度の抜群のマグロ寿司

一見さんお断りの会員制のお寿司屋さんで、

寿司職人が テマ ヒマ をかけた最高級のマグロ寿司

どんなマグロ寿司でも

マグロ寿司はマグロ寿司なので、どれを食べても

『値段はどこも格安で、一律価格にしなさい。』

と、もしも、マグロ寿司の値段を国が決めたら、

お寿司を作る側、お寿司を食べる側は、

経営のために何を考えるでしょう?

 

 

 

お金の話ばかりで、恐縮なのですが、

どの歯医者も何も言わないので、私がここに記載します。

 

 

日本の歯医者での保険治療の価値観を、

さらにわかりやすく、ラーメン屋さんで例えます。

ホリエモンがプロデュースするラーメンが1杯10000円、

東京都心部にある、いつも大行列のできる

高級ラーメン屋さんのラーメン1杯が1800円、

郊外にあるラーメンチェーン店のラーメン1杯が850円、

激安ラーメン店のラーメンが1杯が300円、

スーパーのカップ麺が100円とします。

ここまでは普通に理解できると思います。

それを、ある日突然、

どこでどんなラーメンを食べても、

ラーメンの値段は、全国一律1杯10円

と国が決めたとしたら、どうなります?

ラーメンを作る側は、利益を出すために何を考えるでしょう?

ラーメンを食べる側は、何を基準にお店を選ぶでしょう?

 

 

話を歯医者に戻します。

それぞれの歯医者が技術を磨くために、

研修に費やした時間や努力などは、一切無視されています。

専門医になっても何も関係ありません。

  

それでも厚労省は、日本全国一律、超安値で、

誰にでも決められた順番で、決められた治療をしなさい、と

どの歯医者にも指導しています。

 

 

また、日本の歯科教育では、予防法も、かみ合わせも教えません。

ですから、歯医者が患者さんに予防法を説明したり、

かみあわせの治療をすることは、保険治療ではありません。

よって日本の歯科教育で教えているのは、

どう削って、どう埋めるか、どうかぶせるか、

その手順と方法ばかりです。

 

これでは、一人一人の患者さんに、

ゆっくり時間をかけて、ていねいに対応できず、

説明は助手さんや衛生士さんに任せっきりにして、

決められた手順で、サッサとたくさんの人の歯を削るしかありません。

まるでベルトコンベアのように。

そして、かぶせ物や詰め物を『白いモノ』にしたほうがいいですよ、

と、セールスするしかありません。 

 

これでは患者さんが歯医者に不信感を抱くのはあたりまえです。

 

自由診療は、“きれいな白い歯” ではなく、

自由診療は、“セラミック” でもなく、

自由診療は、“インプラント” でもありません。

 

最高の『品質』と『技術』は、自由診療には必要ですが、

しかし、自由診療に最も重要なのは、

患者さんのお話を聴く『時間』そのものです。

 

 

たくさん時間をかけて、患者さんの本当の悩みや思いを、

親身になってお話をお伺いしたくてもできない、

という現状が、日本の歯医者の保険治療です。

 

 

医療を志す者はお金もうけなんか考えるな!

そう言われるかもしれません。その通りです。

実際に保険診療をやめると告知を始めた時、

患者さんから言われました。

ありえない!庶民を見捨てるな! と。

 

 

しかしながら私は、

ゆっくり時間をかけて、

家族のように患者さんの悩みや思いを聴き、

家族のように患者さんに寄り添い続けたい。

 

 

逆の立場だったら、私はそうされたいし、

私の家族にもそうしてほしいし、

私の両親にもそうしてほしいから。

 

 

しかし、残念ながら現在の保険制度のもとでは、

それをしようにもできないことは、

歯医者なら誰でも分かっているはずです。

誰も言わないので、私がここに記載します。

保険治療で、良心的で理想的で患者さんに寄り添う治療をしたら、

ほとんどの歯医者は潰れます。

 

 

患者さんのことを、自分の家族のように想って、

『自分だったらこうして欲しい』と、

患者さんに情熱を注ぐ歯医者ほど悩んでいます。

患者さんに寄り添いたい歯医者ほど悩んでいます。

なぜなら、そういう歯医者は、良心的な歯科医師を演じながら、

本心とは異なる行いを毎日毎日繰り返すわけですから。

以前の私がずっとそうだったように。

 

 

わたしが保険をやめた理由は、

決して白い歯を売りたいからでも、

インプラントを勧めたいからでも、

矯正治療がしたいからでもありません。

高額な治療機器を使うからでもありません。

 

目の前にいらっしゃる患者さんを、

自分のことと同様に考えて拝見する、

 

すなわち、私の理念である、

 

自分がしてもらいたいことを、他の人にもする。

 

それを行なっていくためには、

どうしても自由診療でなければできません。

 

 

自分がしてもらいたいことを、他の人にしてあげなさい。

 

これは、私が研修したフロリダ州マイアミにある

The Pankey Institute の生みの親、Dr. L.D.Pankey の教えでもあります。

 

 

決して私の治療費は、法外な、とんでもない価格ではありませんし、

アメリカをはじめ先進国の一般的な治療費よりは安いです。

あなたときちんと向き合い、お見積もりをさせていただいています。

一人でいらっしゃるのに不安や抵抗がありましたら、

まずは、ご家族やご友人と一緒にご相談にいらしてください。

 

 

みなさまに、健康であることの喜び、を感じていただき、

何でも美味しく食べられる幸せを感じながら、

大きな笑顔で自信を持って生活していただけることを、

私は何よりも願っています。

 

 

 

吉田幸司

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

公開日:
最終更新日:2020/11/21