かみあわせが『ズレ』ると起こりやすい体の不調とは。
テレビや、健康番組でも良く取り上げられる、
かみあわせの『ズレ』。
あなたは大丈夫ですか?
それでは、
かみあわせが『ズレ』やすい原因について、
見ていきましょう。
歯を抜いてそのままにしている
通常、歯はかみ合っています。
また、となり同志にも、
歯はちゃんと並んでいます。
歯が抜けて、となりや相手がいなくなると、
残っている歯が動きやすく、
かみあわせが『ズレ』ます。
お口のいろんなクセがある人
舌で歯を押すクセのある人、
つめをかむくせのある人、
ほおずえをよくつく人、
左右のどちらかでしかかまない人、
これらの人は歯が移動しやすく、
かみ合わせが『ズレ』ます。
口で呼吸する人
子どもから大人まで、
口で呼吸する人は非常に多いです。
口の周りの筋肉の支えが弱くなり、
でっ歯になりやすく、
前歯の接触がなくなりやすく、
かみ合わせが『ズレ』ます。
歯医者でたくさん治療した人
え?なんで?
と思われることでしょう。
ここで詳細は避けますが、
もともとの歯と同じかみ合わせを作る事は、
一般の保険治療では不可能です。
治療といってもあくまで修理です。
治療した歯が増えていくと、
患者さんは気がつきませんが、
ほとんどの場合、かみ合わせは不安定になり、
かみ合わせが『ズレ』ます。
長い間、入れ歯を使っている人
入れ歯の歯は絶対にすりへります。
特に奥歯が入れ歯の人は、
かむと歯ぐきに沈み込みます。
歯がすりへっても、入れ歯が沈み込むので、
ほとんどの患者さんは気が付きません。
入れ歯の歯がすり減った分だけ、
相手の歯が移動して、
かみ合わせが『ズレ』ます。
歯ぎしりする人
歯ぎしりの力は普通にかむ力の数倍と言われ、
歯がどんどんまっ平らになります。
本来、歯は山と谷でかみ合っていますが、
平らになると、かみ合わせが『ズレ』ます。
かみしめる人
自分では気がついてない人が多いですが、
無意識にかみしめている人はとても多いです。
かみしめると歯は沈んだり傾いたりして、
かみ合わせが『ズレ』ます。
顎関節症の人
顎関節症の原因の多くはあごの使い方によって、
あごや顔や首などの筋肉を痛めているか、
あごの関節内部の軟骨の異変です。
この場合もかみ合わせが『ズレ』ます。
主にマウスピースを使った治療が有効です。
下あごは頭からぶら下がっています。
ブランコを思い浮かべて下さい。
ブランコのクサリの部分が筋肉で、
一番上の鉄棒とつながっている所が、
関節だと思ってください。
ブランコに乗って左右のバランスがいいと、
安定しているでしょ。
でも、左右のクサリにかける力が違ったらどうでしょう?
バランスよくブランコにならないし、
上の鉄棒と接触しているところから、
『キィーキィー』と金属がこすれる音がしてきそうですよね。
あごの関節もそれと一緒です。
かみあわせが『ズレ』ると起こりやすい体の不調とは。
口が開きにくくなる
かみ合わせがズレたままだと、
かむ筋肉が過緊張をきたします。
すると日常的に筋肉がこってしまい、
口を開けようとしても、
筋肉にブレーキがかかります。
また顎関節に負担をかけ、
関節内部の軟骨がズレてしまい、
『カクン』と音がしたりします。
顎が痛くなる
あごの関節に負担がかかり、
軟骨がズレて口の開け閉めで音が出て痛みが出ます。
また、耳の前を触ると痛みを感じます。
頭が痛くなる
口を閉じる筋肉は、側頭筋という大きな筋肉です。
それが筋肉痛を引き起こします。
こめかみは頭痛のシンボルですが、
側頭筋が筋肉痛になると、
まさにそのこめかみが痛みます。
また、かむのは側頭筋だけでなく、
周りの筋肉にも連動しますので、
首や頭の後ろまで痛みが出ることがあります。
首や肩がこる
かみしめている場合、
多くは首のコリを伴います。
首は肩ともつながっているので、
肩まで痛くなる場合もあります。
これが『かたこり』です。
マウスピースで首や肩が楽になった、
という患者さんも多いです。
姿勢が悪くなる
かみ合わせが『ズレ』ると、
肩の高さが変わり、
姿勢にも影響が出ます。
全身に影響が出る
かたこりからはじまり、
肩の痛み、首の痛み、耳の痛み、
ふらつき、難聴、冷え性、不眠症、
などなど、全身への影響は、
まだあいまいな部分も多いですが、
しかし、かみあわせ治療の結果、
腰痛が治った、ふらつきが治った、
薬を飲まなくても、寝れるようになった、
など、うれしい感想をいただいたことは何度もあります。
かみ合わせが安定すると、
確実に首や肩の周りの緊張が解けて、
姿勢がよくななった場合もあります。
かみ合わせの治療で、
すべての病気が治るとは言いませんが、
明らかに改善した患者さんも多数おられます。
精神的に追い込まれる
かみ合わせが『ずれ』て不安定な場合、
そのことだけに患者さんご自身が、
意識を過剰に持ち続けると、
精神的につらく、好ましくない状況に追い込まれます。
人は安定と不安定とのバランスを取って生きています。
かみ合わせが『ずれる』ということと、
他の体の不調を結びつけすぎると、
精神的に不安定になる人を多く見てきました。
まとめ
通常、かみ合わせの治療と言えば
スマウスピースを歯にはめてもらい、
筋肉の過緊張を解き、
顎関節の負担を和らげ、
顎の位置を修正する。
その反応を見て必要があれば、
矯正で歯の位置を動かしたり、
時には歯を削って高さの調整をしたり、
かぶせ物をはめたり、インプラント治療を行う、
というのが一般的です。
私の考える、かみ合わせ治療で大切なこと
『歯』だけを治せば、
かみ合わせが良くなるものではありません。
顔や頭や首、肩の筋肉、あごの関節の状態、
患者さんのかかえている精神的な問題など、
さまざまな事をよく観察し、
患者さんの話をよく聴かねばなりません。
行き当たりばったりの治療を、
何度も何度も受け続け、
いっこうに良くならず、
さらに悪化して、
来院される方もいらっしゃいます。
何でそうなっているのか?
何でそうなったのか?
を考えなければなりません。
そのためには、技術的な事はもちろんですが、
患者さんと向き合うことのできる、
長い時間が必要だと私は考えます。
あなたの歯医者さんは、
あなたの話をよく聴いてくれますか?
読んでいただきありがとうございました!