よくかめば歯が強くなる、と思っているあなたへ

      2018/11/30

よくかめば歯が強くなる、と思っているあなたへ

かむと歯がよくなるの?

 

よくかんだほうが、あごや歯がきたえられて強くなる。

昔から言われてますね。

現代は軟らかい食品が多いので、昔に比べるると、

顔のりんかくが細くなってきています。

だから、子供には硬い物をたべさせましょう!って。

 

よくかんで脳みそを活性化し、ボケを防止しよう!

テレビや健康雑誌でもよく取り上げられています。

 

食べるときは30回以上かんで、胃腸をいたわりましょう。

確かにそう思ってしまいますよね。

でも、実際はそんなに変わらないそうです。

実際に実験した専門家に聞いた事があります。

人間が飲み込む作業、いわゆる えんげ という作業は、

えんげ をしやすいように、かむことと、ベロを動かすことで、

口の中で食べ物を混ぜ合わせて飲み込みやすいように、

食べ物をボール状にしているにすぎない、と。

 

歯がある人で早食いの人

歯がある人でよくかむ人

総入れ歯の人

 

のそれぞれに同じものを食べてもらって、

飲み込むすんぜんに吐き出してもらい、

食べ物のつぶれかたを調べてみると、

少しの差はあるものの、あまり変わらなかったそうです。

麺類に限っては、ほぼ、同じだったそうです。

胃腸、内臓をいたわる意味で、食べ物を細かく小さくしたいならば、

食べ物を少量だけ口に含み、上下にカチカチかむのではなく、

かみしめながら、歯ぎしりみたいにして、歯を横方向に

こすりあわせてすりつぶす方がいいという見解でした。

(絶対に歯を痛めますから、決してやらないでください!)

でも、言われてみればそうですよね。

人が吐いたものを見たことがあると思いますが、

こめつぶとか、ほとんど原形のままです。

 

よくかめば満腹中枢が刺激され、ダイエット効果抜群!

やりすぎて歯が痛くなった人を、何人も見てきました。

 

ガムをかんで表情筋をきたえ、顔のたるみを防止し小顔効果!

これも同じ。つらい目にあった人をたくさん知ってます。

 

よくかんで、だえきをたくさん出して虫歯予防!

こんなことをするくらいなら、違う方法で虫歯を予防しましょう。

ここに詳しく書きましたので、読んでください。

虫歯はどうやって予防するか知っていますか?

 

 

どれもがテレビや雑誌、

インターネットで発信されている情報ですが、

 

ある意味、大きな間違いなんです。

昔から言われてますね。

現代は軟らかい食品が多いので、昔に比べると、

顔のりんかくが細くなってきています。

だから、子供には硬い物をたべさせましょう!って。

確かに、筋トレと同じで、よくかむと、

それなりに、あごや、骨格がきたえられます。

体にもいいとおもいます。ある程度まではね。

(やりすぎると故障します)

でも、それを信じてやりすぎて、

痛くなってる人をたくさん見てきました。

しかも、痛いのに我慢して信じ切って、

強く咬み続けてる人をたくさん見てきました。

その結果…

歯がしみる(知覚過敏)

歯の側面がえぐられてきます。

歯が微妙に横に揺らされて起こってきます。

 

よくかめば歯が強くなる、と思っているあなたへ

 

 

歯がかける

一見、虫歯のように見えますが、

原因はかむ力によって歯と歯のすきまにヒビがはいり、

歯の内部から虫歯になり、時間がたって穴があきます。

見た目は『虫歯』ですが、直接の原因は歯にかかる強い力です。

よくかめば歯が強くなる、と思っているあなたへ

 

 

 

歯が割れる

自宅で鏡をみても分かりません。

よくかめば歯が強くなる、と思っているあなたへ

 

 

つめものがよくとれる

かぶせものがよくとれる

よくかめば歯が強くなる、と思っているあなたへ

 

 

歯ぐきから血が出る

強くかみ続けると、歯の周りの歯ぐきが押されて

歯周病でもないのに出血してきます。

 

 

歯の中を流れている血液(神経)が流れにくくなる

こうなると、けっこうな痛みが出ます。

でも、パッと見、虫歯もなにもないので、

患者さんはどの歯が痛いのかわからず、

自分でこれかな、あれかな、と、わざとかみしめてみたり、

おはしや、ペンでつっついたりして痛いところを探します。

(その動作自体が、悪くなった原因なのに…)

 

 

歯の中に流れている血管(神経)が詰まって流れなくなる

ここまできたら、もう激痛です。

 

痛いです!

 

と言ってかけこんでこられましても、

どうすることもできない事が多いです。

 

 

お薬を渡すだけで、何もできないことが多いです。

 

よくかめば歯が強くなる、と思っているあなたへ

 

 

 

歯の中に流れている血管(神経)が死んでしまう

幸い、ここまで何の痛みもなく進む方もいらっしゃいます。

歯の色急にどす黒くなってきたり、

いきなり歯が折れたりすることもあります。

 

 

歯ぐきがパンパンに腫れる

歯の中を流れている神経と血管が死んでしまって、

膿がたまってしまうと、大きく腫れることもあります。

お薬で、ある程度腫れが引いてから、

膿を出す必要のある場合が多いです。

 

 

 

歯がグラグラしてくる

強い、弱い、は関係なしに、上の歯と下の歯を、

ずっとくっつけているのが普通だと思っている人は注意が必要です。

普段、食べてないときは、

 

上の歯と、下の歯は、

髪の毛一本分、紙きれ一枚分、すきまをあけておく。

 

と、今日から心に決めて下さい。

 

口を開けるのではありません。

唇はとじたまま、お口の中で、

歯と歯を離しておく癖をつけて下さい。

 

 

 

歯が抜ける

歯は、ごく弱い力でもずっと押していると、

ゆれだしてきて、いずれグラグラになり、

やがて、抜けてしまいます。

よくかめば歯が強くなる、と思っているあなたへ

普段、歯と歯を合わせたままにするくせのある人、

かみしめてしまうくせのある人、

歯ぎしりする人、注意してください。

(マウスピースをはめて寝たほうがいいのかもしれません。)

また、硬い物ばかり好んで食べる人も要注意です。

 

 

結局、どうすればいいの?

ボケ防止のためにかむのも、胃腸のためにかむのも、

30回でも40回でも、好きなだけかんだらいいんです。

小顔のため、ダイエットのために、

長時間ガムかむのもいいでしょう。

 

 

ただし

 

 


・かむならば、弱くやさしくかむ!

・歯と歯をこすりつけてかみしめない!

・左右均等にかむこと(片側の歯だけでかまない)

・時間をかけてゆっくり(早食いの人は強まないと早く食べれない)

・成人したら、硬い物は避ける(スルメ、氷は特に注意)

・かめば良くなる、強くなる、という思い込みを今すぐ捨てる。

 

 

前歯で、何でもかぶりつかないでください。

よくかめば歯が強くなる、と思っているあなたへ

りんご とうもろこし フランスパン 骨付きチキンなどを

前歯で豪快に食いちぎって食べるのを、

日本では美徳化する傾向が昔からありますが、

海外では、なじみがありません。

フランス人でも硬いフランスパンはちぎって

奥歯でかんで食べてます。

 

 

 

成長期を過ぎて成人すると、

硬い物をかむ行為は障害になります。

例えば、硬いせんべい、硬いフランスパンが好き

スルメ、ビーフジャーキー、あめをかみくだく、

よくかめば歯が強くなる、と思っているあなたへ

氷を何気なしに食べる、ガムをずっとかみ続ける etc…

よくかめば歯が強くなる、と思っているあなたへ

あてはまる人は、今すぐ改善してくださいね。

 

 

 

歯に力を加えて歯が強くなることはありません。

強くかむのと、

ていねいに30回ゆっくりかむのとは

全然ちがいます!

歯は消耗品です。

どうかいたわってかんであげて下さい。

 

 

 


今日はここまで。

 

 

 

 

 

 - かむということ