一生自分の歯でかみたいなら、歯医者で定期健診、メンテナンスするだけではダメ!
2018/12/04
歯医者からハガキが来たら、ちゃんとクリーニングに行ってますよ。
当たり前の習慣になっている、
歯医者の定期検診。
歯医者から定期検診のハガキが届けば、
きちんとクリーニングを受けに来る真面目な患者さんも、
吉田歯科にたくさんいらっしゃいます。
定期検診(メンテナンス)でしょ。わかってますよ。
いいえ。たぶん、本当の定期健診の意味を
あなたは間違えています。
すこし、定期健診、メンテナンスの意味を
まちがえていると思います。
定期健診(メンテナンス)と歯のクリーニングは全然意味がちがいます。
定期的に歯をツルツルにみがいてもらって、
お掃除してもらうことを
定期健診(メンテナンス)
と思っている時点で間違えています。
クリーニング、歯のお掃除とは、
文字通り、ただ掃除をするだけです。
車で例えると、車を洗車機に通して
キレイにしているだけです。
洗車機に車を通したからといって、
車が長持ちするようになるわけではありません。
そもそも、歯の定期健診、メンテナンスって何?
一般的に「歯の定期健診」
と呼ばれているものは、
歯の治療が終わった後に
今のいい状態を維持するために、
定期的に歯医者でチェックを受けることを言います。
車も定期的に車検を受けた方が
大きなトラブルを防げるように、
歯も定期的に点検を受けるべきだということです。
でも、一般的な歯医者の定期健診のイメージは、
クリーニングでお掃除する、
というものになっています。
しかし、歯を残す、という目標は
その日限りのクリーニングやお掃除では、
全然意味がありません。
定期健診はクリーニングではない!
定期的に歯医者でクリーニングしてもらえば、
お口の中は悪くならない、
とほとんどの人が考えています。
実はこの考え方で定期健診を受けていると、
少しずつあなたの歯が
失われていくことになります。
定期健診で歯のクリーニングをしても24時間しかもたない。
歯医者で衛生士さんに、
ていねいにクリーニングしてもらうと、
歯の表面がツルツルになって、
スッキリした気分になりますよね。
それでそのお口の中の状態が、
しばらく続くように思っていますが、
それがそもそもの間違いです。
歯周病の原因はプラークです。
細菌のたくさん住むプラークは、
24時間たつと、
歯の表面や、歯と歯ぐきのすきまに、
ヌルヌルとしたものがたまってきます。
歯周病についての詳しい説明はコチラ
プラークは、お口の中の細菌が固まったもので、
1日中、たとえ何も食べなくても、
24時間たつと、歯の表面や、歯と歯ぐきのすきまに、
またくっつきはじめます。必ずです。
しかし、実は、1日1回、
正しい歯みがき、歯ブラシをすれば、
そのプラークは落とせるのです。
プラークはつかないのです。
このプラークが唾液の成分と固まったものが「歯石」です。
ということは、定期健診で、
クリーニングをしてもらって、
衛生士さんに歯石を取ってもらい、
ツルツルにしてもらったとしても、
正しい歯みがきをしなければ、
翌日にはプラークが歯の表面に付き、
」早ければ数日後に歯石となり、
次に歯医者に行くまで
細菌が付きっぱなしの状態になります。
定期健診は一般的に3〜6ヶ月、90〜180日に一度だけ。
年間で考えると、
365日中2~4日間だけツルツルな状態で、
残りの360日は細菌まみれ、
という状態ということです。
そして、歯の表面に付いた細菌から出る毒素で、
歯ぐきに炎症が起こり、出血し、
それを体の免疫が反応する事で、
骨がなくなり歯周病が進行します。
また、プラークが常に溜まっている箇所は、
虫歯のリスクも高くなってしまいます。
歯医者でクリーニングさえすれば大丈夫、と思わないでください。
3〜6ヶ月に一度、90〜180日に1日だけ
歯の表面をキレイにしても、
大した効果がないことを、
何となく理解できましたか?
歯医者のクリーニングに頼るのではなく、
正しい歯みがき、正しい習慣を知り、
毎日それを実行してください。
歯の定期健診(メインテナンス)の本当の意味
歯医者での定期健診は、
お掃除やクリーニングではありません。
早期に歯周病や虫歯を見つけることでもありません。
早期発見では遅いからです。
定期健診の本当の目的は、
お口の病気の早期予防です。
病気になる前にその前触れや兆候を見つけ、
ひごろ、あなたが、
どのような毎日を送っているのかをおたずねし、
改善のきっかけを提供する時間こそが、
定期健診です。
お口の病気は早期予防がすべて
早期治療ではありません。
早期予防です!
あなたの毎日の生活習慣や家庭環境、
仕事環境の変化は、お口の中の反応と関係します。
例えば、つらいストレスを感じ、
糖質をとる時間が増えると、
歯の表面が虫歯になりそうな状態に変化します。
また、だえきの量が変化して、
歯ぐきから血が出やすくなったりします。
家事や育児で忙しく、ストレスがたまり、
正しい歯みがきができなくなれば、
細菌の塊であるプラークがたまり、
歯ぐきが腫れやすくなります。
仕事が忙しくなったり、
身内の不幸で、お口の中は変化します。
進級や昇級など、楽しい毎日でも、
お口の中は変化します。
その変化を歯科衛生士が見て、
現状のあなたの生活環境の中で、
あなたができる方法をご提案するのが、
吉田歯科での定期健診です。
定期健診の内容と流れの紹介
1 お口の中の状態をチェック
吉田歯科では
歯の表面が虫歯になりかけていないか
プラークがついている所はないか
歯ぐきが少しでも腫れていないか
歯ぐきのポケット検査で血が出ないか
治療したところのがおかしくなっていないか
かみ合わさり方におかしなところはないか
食いしばりや歯ぎしりなど、歯に強い力がかかっていないか
を、よく観察します。
日常生活の中で何か変化があったりすると、
食生活の内容や、お手入れの状況も、
変化している事が多いことがあるので、
微妙にお口の中にも変化が見られます。
2 患者さんの生活環境を、さらにくわしく聴く。
でお口の中の変化を見た後で、患者さんの
最近の生活環境の変化について細かくお話を伺います。
何か悩んでいることはないか?
歯医者に来たからと言って、
歯と歯ぐきのことだけではありません。
お口の中の変化は、
生活習慣に敏感に反応します。
色んなお話をお聴きします。
何かわからないことはないか?
吉田歯科でお伝えしてきたことと、
テレビや雑誌の内容が違っているなど、
あなたがわからない事や、
疑問を詳しくお聴きして、
詳しくお答えしています。
その時にわからなければ、
後日、きちんと調べてお答えします。
患者さんごとの問題点を考え、長持ちするよう支援します。
定期健診で、お口の中に何らかの変化が見られる原因は
大きく分けて2つと考えています。
① 時間が経つにつれ、少しずつ普段のケアの質が落ちている。
人間、誰しも、最初の意気込みや決意はうすれるものです。
② 生活環境が変化し、ストレスなどで十分にケアができない。
これを判断するためには、ゆっくり時間をかけて、
患者さんのお話をよく聴かねばなりません。
「最近、ストレスはたまっていないか」
「家庭環境に変化はなかったか」
「ご家族や友人とトラブルはないか」
「仕事は順調か」
などを、よ~く聴いていきます。
やらないとダメだと思う気持ちはあっても、
家庭環境の変化や、仕事のトラブルで、
なかなかお口のケアができなかったのかもしれません。
そんな、いっぱいいっぱいの患者さんに
「ここをもっとこうやって磨いて下さい」
「そういう食べものではダメですよ」
などと言っても、マイナスです。
患者さんは、やろうと思ってわかっています。
でも、なかなか手がまわらないのです。
そんな時は、
「今は大変な時期だと思うので、
ここだけはこういうふうにしましょう!」
「全体は今のままでいいので、
この一点だけは頑張りましょう!」
「ついつい食べてしまいますから、
時間帯と回数だけ注意してくださいね。」
といった言い方をしてあげた方が、
いいこともあります。
たくさん時間をかけて、
患者さんの人生と関わっていかないと、
本気でその患者さんを助けられない、
と僕は思います。
3 最後に、きれいにみがいてあげる。
最後の最後にお口の中の、
クリーニングと掃除を行います。
今お口の現状を、細かく
患者さんにきちんと理解してもらって、
悪化を防ぐための対策を、
一緒に確認しさえすれば、
定期健診の役割はほとんど終りです。
最後にクリーニングを行うのは、
ただの「おまけ」です。
車検に車を預けたら、
車がピッカピカに洗車されてるのと同じです
これが吉田歯科の定期健診(メンテナンス)です。
まとめ
定期検診にはきちんと来るのに、
歯を失ってしまう方を、
僕は何人も見てきました。
ですので、
吉田歯科での定期健診のモットーは、
クリーニング、お掃除が目的ではなく、
普段のお手入れの質を高めるための、
アドバイスとチェックすること。
です。
今日から正しいお手入れと、
正しい定期健診を受けて下さい。
あなた自身の手で、
あなたの大事な歯をいつまでも守れますように。
今日はここまで。